特定非営利活動法人 Human & Animal Bridging Research Organization エイチ・エー・ビー研究機構

おくすり情報 No.02 クスリのはたらき ―クスリの体内でのながれ― (2003年5月発行)

おくすり情報 No.02 クスリのはたらき ―クスリの体内でのながれ― (2003年5月発行)

監修:須賀 哲弥(東京薬科大学 名誉教授)

病気を治すのは基本的に私たち自身のからだです。その体内の仕組みが故障したり働きすぎるのを調節したり、病気の原因を取り除くことによって、病気を克服しようとするのがクスリです。それがうまく働いてくれるように、悪さをしないように、クスリとのつきあい方を理解しましょう。
今回はクスリの体内での流れについて説明します。



吸収

1. 吸収
クスリには錠剤、カプセルなどいろいろな形がありますが、クスリを飲む(内服)と、多くは胃で溶け、小腸で「吸収」されます。






代謝

2. 代謝
小腸で「吸収」されたクスリは、血液中に移動し、腸間膜静脈から門脈を通り肝臓に運ばれます。 クスリは一部、肝臓で分解されます。これが「代謝」です。





薬効

3. 薬効
クスリと分解物(代謝物)は肝静脈、大静脈を通り心臓に運ばれます。そして心臓から大動脈を通り全身に運ばれ、目的の病態組織にも運ばれクスリは作用します(薬効)




排泄

4. 排泄
役目を終えた血液中のクスリは腎臓から尿中へ「排泄」されます




クスリの吸収、代謝、薬効、排泄のいずれにも実験動物と人間では、大きな違い(種差)があります。
そのため、よく効いて(薬効が高い)安全な(副作用の少ない)クスリを作るためには、実験動物だけでなくヒト臓器・組織を用いた試験が必要で、欧米では市民の協力を得てこのヒト臓器・組織を用いた試験がごく一般的に行われています。

体内に吸収されたクスリはどうなるの?

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