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おくすり情報 No.18 検査の結果から病気を知る -あなたの肝臓はお元気ですか?・1- (2011年05月発行)
■肝臓の健康診断の代表的な検査項目
● GOT(AST)とGPT(ALT)
肝臓病検査の代表的な項目としてGOT(またはAST)(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)とGPT(またはALT)(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)がある。これらの酵素は本来肝細胞内にある酵素だが、肝臓に異常が起こり肝細胞が破壊すると血液中に大量に流出し、肝細胞に異常が起こったことを知ることができる。
●γ -GTP
肝臓でつくられる酵素の一種であるγ -GTP(ガンマ・グルタミル・トランスペプチダーゼ)は肝臓の解毒に関与している。アルコール性の脂肪肝では上昇がみられる。
●アルカリフォスファターゼ(ALP)
肝臓・腸粘膜・骨・腎臓などでつくられ、主として胆道の異常をみることができる。
●血清総ビリルビン(T-B i l )
これは赤血球のヘモグロビンが分解されて生成する。血清総ビリルビンは肝臓や胆嚢に異常があると上昇し、急性および慢性肝炎や胆管結石などが考えられる。
●乳酸脱水素酵素(LDH)
肝臓で糖質をエネルギーに変えることに関与しているが、その他の臓器にも存在しているので注意を要する。
■肝臓の病気
肝臓は私たちの生命維持にとってなくてはならない重要な役割をはた しています。肝臓の病気は静かに進行し、危険な状態にいたるまでなかなか激しい病状が現れません。従って肝臓は「沈黙の臓器」といわれており、油断大敵の疾患でもあります。
肝臓の異常が健康を脅かす要因としては、以下のふたつがあげられます。そのひとつは過食や飲酒などの慢性的な生活習慣の乱れ、もうひとつはウイルス感染です。肝臓病の進行は次のふたつの流れになります。
慢性的な生活習慣の乱れが原因の肝臓病の場合、肝臓にまず脂肪が沈着し、その後肝細胞が炎症を起こす肝炎が発症します。
そのまま不健全な生活を続けていくと肝細胞が固くなり肝硬変、ついには肝臓癌にまで進行してしまいます。
ウイルス感染の場合、肝細胞が炎症を起こし急性肝炎となります。その場合ウイルスの種類により、特にA 型ウイルスはB 型C 型と比べて初期症状が最も激しいのが特徴です。