創薬研究の基礎知識
より安全で薬効の高い医薬品を開発することは、わが国の国民の健康に貢献するだけでなく、世界の健康福祉に広く貢献することになりますが、その為には国民の理解と協力が不可欠です。HAB研究機構は、過去の薬害問題から昨今の臨床研究法や個人情報保護法の改正まで、創薬研究に係わる問題を調査し、今後わが国が一丸となって新薬を開発していくためにはどうしたらいいかを検討いたしました。
- Ⅰ 日本の医薬品開発の課題
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1. わが国の創薬産業の現状
池田敏彦(医薬品開発支援機構)
2. 創薬研究の現状と将来展望
堀井郁夫(ファイザー株式会社)
3. 創薬推進におけるPMDAの役割とレギュラトリーサイエンスに基づく取組み-合理的な医療を目指して-
近藤達也(PMDA 理事長)
4. AMEDによる創薬研究の支援方策
菱山 豊(AMED 理事)
5. 創薬研究と利益相反マネッジメントのあり方
小山田朋子(法政大学 教授)
6. 製薬協におけるコード・コンプライアンスの取組み
田中徳雄(日本製薬工業協会 常務理事)
7. 日本の医薬品開発のシステムのどこが問題か
三和 護(日経BP社 日経メディカル 編集委員)
- Ⅱ 創薬研究の社会的意義とその規制
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1. 研究の自由と憲法
中山茂樹(京都産業大学 教授)
2. わが国の創薬研究の規制:歴史・現実・展望
成川 衛(北里大学 教授)
3. 国際的規制と日本の創薬研究
黒川達夫(バイオシミラー協議会 理事長)
4. 再生医療とそれを取り巻く法律
高戸 毅(JR東京総合病院 院長)
5. エイズ薬と知的財産 ~医薬品アクセスをめぐって
隅藏康一(政策研究大学院大学 教授)
6. 日本動物実験代替法学会と 3Rs・代替法の展開
酒井康行(東京大学 教授)
- Ⅲ 創薬研究と臨床研究
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1. 被験者保護とインフォームド・コンセント
手嶋 豊(神戸大学大学院 教授)
2. ヘルシンキ宣言と創薬研究
畔柳逹雄(弁護士)
3. わが国におけるGCP基準の展開と展望
加藤祐一(内閣府)
4. 人対象研究倫理指針、臨床研究法
磯部 哲(慶応義塾大学 教授)
5. ゲノム指針と創薬研究 ゲノム解析の倫理的問題
野崎亜紀子(京都薬科大学 教授)
6. 改正個人情報保護法と研究倫理指針
吉峯耕平(弁護士)
7. 抗がん剤研究のための網羅的遺伝子解析と改正個人情報保護法
栗原 厚(第一三共株式会社 バイオ医薬研究所)
8. 医薬品医療機器法と再生医療等安全性確保法
平山佳伸(前 立命館大学 教授 )
9. 臨床研究法と創薬、利益相反
井上悠輔(東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 准教授)
- Ⅳ バイオバンクによる創薬研究
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1. バイオバンクにおける個人情報の保護
峯岸直子(東北大学東北メディカル・メガバンク機構 教授)
2. 日本と外国における創薬研究用のバイオバンク
鈴木 聡, 深尾 立(HAB研究機構)
3. 外資系製薬会社における創薬研究用のバイオバンク
檜杖昌則(ファイザー株式会社)
4. ヒト組織を用いた創薬研究
吉松賢太郎(株式会社凛研究所)
5. ヒト組織の研究利用と生命倫理
佐藤雄一郎(東京学芸大学 准教授)
6. 研究用バイオバンクと死体解剖保存法
町野 朔(上智大学 名誉教授)
7. 研究用バイオンクと臓器移植法
町野 朔(上智大学 名誉教授)
8. NDRI and HAB Partnership to Serve Science and Advance Research
寺岡 慧(HAB), Bill Leinweber(NDRI)
9. 何故日本では、アメリカのようにヒト組織の売買が許されないのか?
奥田純一郎(上智大学 教授)
- Ⅴ 製薬と社会
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1. 創薬が日本社会に受け入れられるためには
北澤京子(京都薬科大学 客員教授)
2. サリドマイド事件の教訓
更田義彦(弁護士)
3. キノホルム事件、クロロキン事件ー行政の法的権限と義務
森谷和馬(弁護士)
4. 薬害エイズ・薬害肝炎~再発防止の方策
鈴木利廣(弁護士)
5. イレッサ事件と製薬会社、国
米村滋人(東京大学 教授)
6. 創薬研究に対する社会不信
大西正夫(医事ジャーナリスト)