特定非営利活動法人 Human & Animal Bridging Research Organization エイチ・エー・ビー研究機構

おくすり情報 No.19 検査の結果から病気を知る -肝臓病にやさしい生活習慣のすすめ- (2011年10月発行)

おくすり情報 No.19 検査の結果から病気を知る -肝臓病にやさしい生活習慣のすすめ- (2011年10月発行)

監修:須賀 哲弥(東京薬科大学 名誉教授)

■食事療法と併せて悪化させる要因を取り除く

「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓には自己修復と再生機能があるため、強いダメージを受けない限り自覚症状は現れません。 自覚症状が現れる頃には、生命の危機に直面している可能性もあります。
そのような状況にならないために重要なことは、健康診断による検査結果に注意を払うことです(おくすり情報No.18参照)。 それと同時に、自己の努力により病気に打ち勝つ努力と根性も大切です。
肝臓病の早期では、食事療法による食習慣の改善が基本になります。そして肝臓に負担をかけるような状態をさけるために生活習慣を改善することが大切です。そのために気をつかうべき生活習慣として、表1のような事柄があげられ、以下の15項目のうち8項目以上が当てはまると肝臓に負担がかかっていると理解されます。

■肝臓に負担をかけない生活習慣

1.朝食をとる。朝食を抜くと、前日の夕食から昼食まで半日以上栄養補給が不足してしまい、その結果1日内のエネルギーの補給が不均一になり、ビタミンやミネラルの補給が不足になる。
2.夕食は就寝の3時間前に摂取すること。夕食時の食物が十分に消化される時間が必要。
3.食生活の改善:朝、昼、夕の食事のバランスをおよそ2:3:2の割合でとる。
4.肥満者はその解消につとめる。脂肪肝を解消するには摂取エネルギーを減らすこと、適度な運動(ウォーキング、ストレッチなど軽いもので十分)を行うことが効果的。目標1ヶ月に500g程度の減量がのぞましい。
5.自己の肥満度と1日の適正エネルギー量を知る。BMI (表2)で肥満度を知ることと、生活強度での適正エネルギー量(表3)を知ることが大切。

■病状悪化を促すストレスの回避も肝臓病治療の一環

現代社会では日常生活の中でさまざまなストレスを感じています。
ストレスには様々な精神的-肉体的ストレスがあり、アドレナリンの分泌が増加し、免疫力を低下させます。そうなると活性酸素の発生と免疫力の低下が生じ、その結果、肝臓が攻撃されることになるのです。そのストレスとは日常的なものであり、通勤ラッシュ、超過勤務、太陽光に長時間あたり過ぎる、過剰な飲酒、睡眠不足などがあげられます。
そしてこのように肝臓病を心配する場合には、まず日常の生活のありかたから注意をはらうようにしましょう。

(栗原 毅 著:肝機能を高める基本、日東書院参照)
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